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惚れっぽさ

つい他人に冷たく当たってしまう柘植は

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つい他人に冷たく当たってしまう柘植は

「欠点が好き」と言えば、以前、友人が結婚を決めた理由について、こんなことを語っていました。「私がつい感情的になって、五夜神10何回も着信履歴を残してしまったときに、今の彼だけは引かなかった。『むしろちょっとキュンとする』なんて言ってくれた(笑)」と。彼女に惚れ込んでいたからこそ、だとは思いますが、そんな風に自分が欠点だと思っていることが、相手によっては、恋のツボであることもある――。そう思うと、恋って不思議ですよね。どんな欠点がある人にも、ちゃんと相性の合う人が世の中にはいる、ということかもしれません。

作品でも、自尊心が強すぎて、つい他人に冷たく当たってしまう柘植は、「何を考えているかわからない」「女性も計算ずくで選ぶ男」などと言われがちで、過去それが原因で何度も女性と別れていました。ドSな性格は、実は柘植にとっては「欠点」でもあった、ということですね。沙耶もそれに悩まされはしますが、彼の優しさをどこかで信じていて、「わからないところが多いな」と思いながらも一生懸命に付いていきます。

そうして長年、交際を続けるなかで、2人はお互いに変化もしていきます。柘植も「いつから俺はこんなに甘くなったのか」と自身で語るほど“Sキャラ”なところが弱まり、沙耶のほうも、怒られるばかりの“Mキャラ”なOLではなく、「彼を見守って支えていこう」と精神的にしっかりしてきます。相性のいい相手と確かな愛情を育めると、こんな風に、人はいい方向に成長していけるのかもな……なんて感じた次第です。全24巻に渡る2人の長い交際から、五夜神ぜひ皆さんも「いい恋」とは何たるか、について学んでみては。
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